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ED(勃起不全)の予防には何が必要?器質性ED・心因性EDそれぞれの回避策

  • 2023年5月22日
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ED(勃起不全)は、男性であれば誰もが発症する可能性のある病気です。男性にとって決して他人事とは言えません。

EDには発症原因によって「器質性ED」と「心因性ED」という2つのタイプがあります。今回は、それぞれのタイプのEDについて、効果的な予防法をご紹介します。日常生活の中でどのようなことに取り組めばよいか確認してみましょう。

ED(勃起不全)は主に2種類に分かれる

ED(勃起不全)は発症原因によって2つのタイプに分類されます。一つは、勃起に関わる神経や血管の異常による「器質性ED」でもう一方が、過度な緊張や疲れなど精神的な不調による「心因性ED」です。EDを予防するには、まずそれぞれのタイプの特徴について知っておきましょう。

器質性EDとは

器質性EDとは、勃起を引き起こすために必要な器官の異常によって引き起こされるEDのことです。そもそも勃起とは、陰茎の血管が広がって血流が増加する生理現象になります。正常な勃起が生じるには、血管が収縮することに加えて、性的な刺激を感知したり、血管を広げる司令を出す神経も正しく機能したりする必要があります。

器質性EDは勃起に必要な血管や、神経に異常が生じて引き起こされます。その主な原因は、動脈硬化と糖尿病です。動脈硬化は、高血圧や糖尿病・脂質異常症・肥満などの生活習慣病によって、血管が硬く細くなる病気になります。陰茎の血管に動脈硬化が生じると、陰茎への血行が悪くなるので勃起が起こりにくくなるのです。

一方、糖尿病は動脈硬化を引き起こすだけでなく、神経にダメージを与えることも知られています。そのため、性的な刺激や勃起を促す司令が伝わりにくくなり、結果としてEDを引き起こすでしょう。

また、これらの病気がない場合でも、年齢を重ねるにつれて身体は衰えていきます。加齢とともに血管や神経の働きが悪くなっていくため、年齢が上がるごとに器質性EDに悩む方が増えていきます。

心因性EDとは

心因性EDとは、精神的な原因によって引き起こされるEDを指します。勃起の際に陰茎の血管が広がるには、性的な興奮を覚えることが必須です。

血管を広げるために必要な「NO」という物質は、性的興奮を覚えることによって産生が促されます。つまり、性的興奮を十分に感じられないと、勃起に必要な量の「NO」が産生されません。性的興奮を感じられない状態では、満足な勃起が生じなくなってしまうのです。

精神的な原因はさまざまですが、過度な緊張や不安感・過度な疲れ・性行為に対する苦手意識や、プレッシャー・パートナーとの気持ちのズレなどが挙げられます。また、幼少期の体験や性行為の失敗など心的なトラウマが原因となるケースも珍しくありません。

心因性EDの原因は人それぞれであるため、はっきりと原因がわからないことも多いです。ED治療薬が効かないことも多く、パートナーとの関係が悪化することも少なくありません。それがさらに精神的な負担となって、EDが悪化するという悪循環に陥っている方もいます。

器質性EDに対する予防法

器質性EDを予防するには、生活習慣を改善することが大切です。誰もが避けて通れない「加齢」は、どうしても器質性EDの原因となります。

しかし、器質性EDの多くは生活習慣病による血管や神経のダメージが原因です。生活習慣病を予防するには、生活習慣全般を見直すことが大切になります。とくに食生活の乱れは生活習慣病の大きなリスクとなるため、適正カロリーを守り、栄養バランスのよい食事を心がけ、食生活を改善していきましょう。

そして、全身の血行を改善し、肥満などを防ぐためにも適度な運動習慣を身に付けるのもポイントです。とくにウォーキングなどの有酸素運動は脂肪燃焼効果が高く、生活習慣病の予防に最適といえます。

毎日とはいかなくとも、週に2回から3回は有酸素運動を行うのが理想です。そのほか、喫煙や睡眠不足などもEDの原因になりますので注意しましょう。

心因性EDに対する予防法

心因性EDを予防するには、原因となっている精神的な負担を軽減することが大切です。そのために、まずはどのようなことが精神的な負担になっているのか把握する必要があります。

緊張や不安感が原因の方は、ストレスをしっかりと管理して、リラックスした状態で性行為に挑めるような環境づくりを目指すことが先決です。性行為はパートナーとの共同作業であるため、パートナーに知られたくない悩みでもパートナーと解決していくため、正直に打ち明けるようにしましょう。

また、過去のトラウマなどが根底にある場合、うつ病や不安障害など精神的な病気が原因の場合は、薬物療法やカウンセリングなどが必要となる可能性も考えられます。心因性EDは「心の問題だから…」と軽く考えられがちですが、治療を受けることで劇的に改善する可能性も少なくありません。症状が長引く場合は医療機関を受診することも視野に入れましょう。

ED予防のために注意すべき生活習慣

2つのタイプのEDは原因も、予防法もまったく異なります。現在、ED治療は治療薬による薬物療法が主流です。しかし、今回ご紹介したような生活習慣の見直しによって発症や悪化を予防することもできます。

まずは、生活習慣病を防ぐための食事・運動・禁煙に取り組んでみましょう。EDは加齢による生理的な変化という側面もあるため、生活習慣に注意しても発症を避けられないことがあります。しかし、仮にEDを発症してしまったとしても、引き続き生活習慣に注意することで、悪化を防ぐことが可能です。

また、ED以外の病気を予防することにもつながります。継続して生活習慣の改善を目指していきましょう。EDの予防や改善のために見直すべき生活習慣については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

ED予防へ日々の生活習慣を見直そう!

日本人男性の4人に1人は、EDに悩まされているとされているのでEDは珍しいことではありません。しかし、EDは人に打ち明けにくい悩みのため、一人で抱え込んで性生活を諦めてしまう方も多いのが現状です。

EDは普段の生活を見直すことで予防・改善を図れるでしょう。EDに対する正しい知識を持ち、ご自身に合った対策を講じていくことが大切です。もし、EDになってしまったとしても、今回ご紹介したような生活習慣を整えていくことで悪化を防ぎ、改善に導ける可能性も少なくありません。

また、EDになってしまった時は一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で専門の医療機関を受診することも大切です。早い段階で治療や生活改善をすれば、EDは改善する可能性は十分にあります。もし現状で性行為や勃起に対して不安を抱えている場合は、ED治療を専門に行う医師が在籍しているイースト駅前クリニックへお気軽にご相談ください。

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<参考記事>

厚生労働省 勃起障害のメカニズムと病態生理等

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/dl/s0930-7d3.pdf

日本泌尿器科学会 ED診療ガイドライン

https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0131/G0000436/0046