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食事でED(勃起不全)改善へ!避けるべき食べ物&効果的な栄養素を紹介

  • 2023年4月28日
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EDを改善するには、ED治療薬の使用だけでは不十分です。生活習慣の乱れ、特に食生活の乱れはEDの原因となるので、食事を見直す必要があります

今回は、EDを改善させるための食事について、注意すべき食べ物から治療に効果的な栄養素まで詳しく解説します。知っておけば、日常生活でEDを改善できる対策になるため、ぜひ最後まで読んで治療の参考にしてみてください。

日頃の食事を見直せばED(勃起不全)改善へつながる?

ED(勃起不全)とは、硬さや持続性が十分な勃起が生じなくなる病気のことです。勃起不全になることで、性行為が難しくなり満足な性生活を送ることができなります。

性行為ができなくなるだけでなく、EDが原因で「自分はダメな男だ」と男性としての自信が失われる原因になります。EDが原因で自信を失い、異性関係に消極的になってしまう方も少なくありません。

EDの原因は様々ですが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病が大きく関わっていることが分かっています。これらの生活習慣病は、生活習慣の乱れ、特に食生活の乱れや運動不足などが主な原因となって引き起こされるものです。

つまり、日ごろの食事や運動習慣を見直せば、EDの発症や悪化を改善することができます。今回は、EDを改善するための食事について詳しく見てみましょう。

ED(勃起不全)改善のために避けるべき食事

EDの原因は様々ですが、その一つに陰茎の血行が悪化することが挙げられます。そもそも勃起とは、性的な刺激によって陰茎の血管が広がり、血流が増加することによって生じる生理現象です。

EDは陰茎への血流が低下して、勃起力が低下する勃起不全のことを指します。血流が低下する原因として挙げられるのが、「動脈硬化」です。動脈硬化は、上述したような生活習慣病によって、引き起こされます。食事がEDの原因となっている理由は、生活習慣病によって陰茎に流れる血流が低下することが大きな要因です。

EDを改善するために、避けるべき3つの食事を紹介しますので治療の参考にしてみましょう。

高カロリー食

適正カロリーを大幅に超えた食事は肥満のもとです。アメリカでの2万人以上の男性を対象とした研究によれば、肥満度がアップすればするほどEDの悪化が見られました。

そのほかにも様々な研究によって、肥満はEDのリスクファクターであることが示唆されています。さらに、高カロリー食による肥満は動脈硬化を引き起こすため、EDの発症・悪化を誘発する原因となるのです。

EDを改善するには、高カロリーの食事を避けて適正カロリーを守った食生活を送りましょう。一日に必要なカロリーは運動量や体格によって異なりますが、男性は2000kcalから2200kcalが目安なので、自分に合った適正カロリーを把握してください。

もちろん、運動をしたときなどはもっと多くのカロリーを摂取して構いませんが、EDを治療するために肥満には十分気をつけましょう。

高食塩食

塩分の多い食事は体内の水分貯留を促し、高血圧を引き起こします。高血圧は、血圧が高い状態が続き血管の内側の壁が傷ついて動脈硬化を引き起こす病気です。高食塩食な食事を繰り返して高血圧になると、陰茎の血管が狭くなりEDの発症・悪化につながります。

厚生労働省によれば、高血圧を予防するためには一日の塩分摂取量を8g未満に抑えなければなりません。一方で、2018年の国民健康・栄養調査によれば、男性の一日の塩分摂取量は平均して11.0gとなっており、理想的な塩分摂取量とは程遠い結果となっています。

塩分は日々口にする食事の中で、思いのほか様々な食品に多く含まれています。そのため、自身がどれくらいの塩分を摂っているか正確に把握するのは困難でしょう。

EDを予防・改善するためには、日々の食事で薄味を心がける・だしや薬味を活用して減塩する・麺類は汁を飲み干さない、など高血圧にならないよう対策を行いましょう。

高脂肪食

高脂肪食は、生活習慣病である脂質異常症や肥満のもとです。脂質異常症や肥満は、いずれも動脈硬化を引き起こし、EDを引き起こす原因になります。さらに、高脂肪食はED治療薬の効果を半減させる可能性もあるため、ED治療中は摂取を避けるようにしましょう。

現在、ED治療の主流となっているED治療薬のうち、バイアグラとレビトラは脂質の多い食事を食べた後に服用すると効果が低くなります。特にバイアグラは脂質の相性が悪く、効果が半減する可能性があるため、ED治療中は日ごろから高脂肪食を避けて、ED治療薬を服用する前はより食事に注意しましょう。

ED(勃起不全)改善のために効果的な栄養素

EDを改善に導くには避けた方がよい食事もありますが、逆に積極的に摂るべき栄養素もあります。「EDに効く」と謳われたサプリメントも多く販売されていますが、具体的にはどのような栄養素を摂ればよいのか「ED改善に効果的な栄養素」を把握しておきましょう。

ここでは、ED改善に効果的な栄養素を3つご紹介します。

亜鉛

亜鉛は、性欲を司る男性ホルモン「テストステロン」の分泌を促す働きがあります。テストステロンの分泌量は年齢を重ねるごとに減少していくものですが、テストステロンが減少するとEDを引き起こしやすいです。

40代以降になって性欲が湧かず、EDに悩んでいる方は、亜鉛の摂取がオススメです。亜鉛はアーモンド、ごま、抹茶、牡蠣、レバー、鶏肉などに含まれていますので、EDを改善するため積極的に食事で取り入れるようにしましょう。

シトルリン

シトルリンは、遊離脂肪酸の一種です。陰茎の血管を広げるのに必要な「NO」という物質の産生を促す効果が報告されています。そのため、シトルリンにはEDを改善する効果があると考えられているのです。実際に行われた研究でも、軽度なED患者はシトルリンを摂ることで半数の方に症状改善が見られることがわかりました。また、ED治療薬の効果を高める働きがあるとの声も。

シトルリンは聞きなれない栄養素かも知れませんが、スイカ、メロン、きゅうり、冬瓜などのウリ科植物に多く含まれています。ときには意識してこれらの食材を摂るようにしましょう。

DHA・EPA

DHAとEPAは必須脂肪酸の一種です。必須脂肪酸とは、体内ではほとんど合成されない栄養素なので、食事から摂取するしかありません。

DHAとEPAには、血液をサラサラにする効果や中性脂肪を下げる効果があるため、全身の血行を改善し、肥満や脂質異常症の予防ができます。さらに、血液がサラサラになると陰茎への血流も良くなるため、DHA・EPAはED治療に効果的な栄養素です。

厚生労働省は、DHA・EPAを一日に1000mg以上摂ることを推奨しています。DHA・EPAは、サンマやイワシなどの青魚、マグロ(トロ)、ブリなど油が乗った魚類にも多く含まれている栄養素です。ただし、DHAやEPAは煮汁などに溶け出す性質があるので、煮魚で食べる時は煮汁も一緒に食べるようにしましょう。

食事の見直しでED(勃起不全)改善へ!治療薬の効果をさらにUPさせよう

高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病はEDを発症・悪化させる原因の一つです。ED発症のもととなる生活習慣病を改善するには、日々の食事を見直す必要があります。また、EDになりにくい食事を続けることで、ED治療後の再発リスクを低下できます。

EDに悩んでいる方は、まずこの記事を参考に食事を改善してみましょう。ED改善に効果的な食事を意識して、EDの原因となる食事は避けるように心がけましょう。

もちろんEDの原因は食生活の乱れだけではありません。より確実にEDの改善を目指したい方は一度専門クリニックで相談や治療を受けることをおすすめします。

<参考記事>

日本泌尿器科学会 ED診療ガイドライン「EDのリスクファクター」

https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0131/G0000436/0020

農林水産省 実践食育ナビ「食事バランスガイド早分かり」

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/required.html

日本薬理学会 虚血に伴う勃起不全に対する新規アプローチ

https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/147/1/147_31/_pdf

厚生労働省 e-ヘルスネット「不飽和脂肪酸」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html

イースト駅前クリニック ED治療

https://www.eastcl.com/ed/food/